茶食抹茶
緑茶を食べる
緑茶を食べる「抹茶」のすすめ。
緑茶は、現代では、私たちの食卓にありふれたものです。
緑茶には私たちの健康維持や体質改善のために必要な成分が含まれています。
緑茶にはどのような効果があるのか、その中でも、抹茶がおすすめである理由についてご紹介します。
緑茶の歴史
お茶は古くから健康の維持、または回復に効果のある「薬」として使用されていました。
日本では、平安時代頃にはすでに緑茶が登場しているようです。鎌倉時代になるとお茶は貴重な薬とされていて、飲用できる人も僧侶など特別な人たちに限られていました。 中国でも、昔からお茶は薬として重宝されていたそうです。
石田光成の逸話
ある時、豊臣秀吉が鷹狩りをしていました。喉が渇き、お寺でお茶を所望しました。
寺の小坊主をしていた石田光成は、一杯目は大きな茶碗にぬるめのお茶を8分目ほど入れました。
二杯目は、一杯目より少し熱くして、茶碗に半分ほど入れました。
三杯目は、さらに熱いお茶を小さな茶碗に入れました。
秀吉は、光成の機転に感心し、家臣にしたと言われています。
緑茶の栄養素
緑茶は豊富な栄養素を含んでおり、最近では、生活習慣病の予防に極めて有効な健康食品として見直されてきています。
その中でも、特にビタミン群が豊富で、バランス良く含まれているというのが魅力であり、特に体質改善に役立つと考えられています。
主な栄養素
β-カロチン
緑茶には、ニンジンの約4倍、ほうれん草の約8倍ものβ-カロチンが含まれています。
β-カロチンは人の腸内でビタミンAに転換し、様々な働きをします。
β-カロチンは、たくさん摂っても、すべてのβ-カロチンが、ビタミンAになるのではなく、必要な時に、必要な量だけ、体の中でビタミンAに変換されます。
そのため、ビタミンA過剰症などの病気になる心配はありません。
- 発ガンや腫瘍の抑制作用
- 活性酸素に対する抗酸化作用
- 免疫力の増進
β-カロチンの主な効果
ビタミンB群、C、E
緑茶には、β-カロチン以外にも、各種ビタミンがバランス良く含まれています。
ビタミンB1、B2は、糖質、エネルギーの代謝に使用されます。
ビタミンCは、 抗酸化作用、ガン予防、美肌効果などに効果があります。
ビタミンEは、抗酸化作用、ガン予防、抗不妊効果などがあり、他の食品に比べ、特に多く含まれています。
カテキン
カテキンは緑茶の渋み成分であり、さまざまな作用をします。
- 発ガンや腫瘍の抑制作用
- 活性酸素に対する抗酸化作用
- 血液、血管に対する諸作用(コレステロール低下、血圧上昇抑制、血糖上昇抑制など)
- 抗菌、抗ウイルス作用(食中毒予防)、抗インフルエンザ作用
- 脱臭作用(口臭予防)
カテキンの主な効果
その他
ミネラル、γ-アミノ酪酸、食物繊維、フラボノイド、葉緑素(クロロフィル)などの豊富な有効成分が含まれています。
緑茶の発ガン抑制効果
茶所で知られる静岡県の人々のガン死亡率は、全国平均に比べて非常に低いことが知られています。
また、1日10杯以上の緑茶を飲む人は3杯以下の人と比較して、発ガンの危険率が低下するという報告もあります。
中国の上海での調査研究では、緑茶を飲む習慣が食道ガンの危険率を低くしていることが報告されています。
「抹茶」にこだわる理由
緑茶にはカラダに良い成分が豊富に含まれていることは、お分かりいただけたと思います。
緑茶の中の栄養素には、水に溶けにくいものがあります。「β-カロチン」、「ビタミンE」、「食物繊維」などがそうです。
普通は、緑茶をお湯で煎じて飲みますが、これでは水に溶けにくい成分は茶葉に残ったままで、体内に摂取することができません。
実際、お茶からお湯に溶け出す栄養素はわずか数%と言われています。
これらの成分を茶葉に残したまま捨てるのは非常にもったいないと思いませんか?
緑茶の優れた栄養素を残さず摂るためにも、茶葉をまるごと摂取することができる、「抹茶を飲むこと」をお勧めします。
抹茶は、緑茶の一番茶を臼でひいて粉にしたものです。粉末の抹茶を溶かして飲めば、茶葉に含まれる豊富で良質な栄養素を丸ごと摂ることができます。
さらに抹茶は、煎茶や玉露などに比べて「β-カロチン」が豊富に含まれているので、特におすすめなのです。
摂取について
お召し上がり目安
1日のお召し上がり目安は3g(小さじすりきり2杯程度)です。
温かいお茶で飲む場合は、カテキン・ビタミンCなどの栄養素を熱で壊さないように、ぬるめ(45℃以下)のお湯に溶かしてお飲み下さい。
摂りすぎに注意
栄養価が高く、体に良い抹茶ですが、摂りすぎはよくありません。
抹茶には、カリウムが多く含まれています。
体内のカリウムの量は、主に腎臓でコントロールしています。
腎臓は、体内の水分や塩分量を調節するほか、血液中の不要なものをろ過して尿へ排出する働きを持っています。
腎臓の機能が低下すると余分なカリウムを排出することができなくなり、血液中のカリウムが増加することがあります。
カリウムの増加は不整脈を起こしたり、心臓が停止する危険もあります。
腎臓病や、現在透析をされている人、クレアチニンの数値が1.7以上の方はお控えください。
また、健康な方も1日の摂取目安を守り、摂りすぎには注意しましょう。